
令和8年6月21日、大村市三城風致地区において、地域活動と平和学習を融合した初の「長崎県考授業」が開催された。会場となった長崎県忠霊塔は、三城城跡内に建立された県内有数の慰霊施設であり、戦没者を追悼するとともに、地域の歴史を伝える重要な場所でもある。
今回の取り組みは、三城圏連合会が継続して実施してきた定例活動に合わせて実施されたもので、地域の環境保全活動と平和学習を一体的に実施する初の試みとなった。
「長崎県考授業」は、官民連携を基盤とした社会教育活動であり、知識を一方的に学ぶだけではなく、地域課題、歴史、文化、平和、防災、福祉、環境などについて、参加者自らが現場に立ち、「なぜそうなのか」「どのように未来へつないでいくべきか」を考え、実践することを目的としている。
当日は、高校生から大学生、地域住民らが参加。世代を超えて学び合う機会となった。
参加者は午前10時に長崎県忠霊塔へ集合し、活動内容の説明と安全確認を行った後、慰霊塔周辺の清掃や環境保全活動を実施。その後、三城城跡周辺へ移動し、歴史的景観の保全活動と現地観察を通じた学習を行った。
活動では少人数ごとに役割を分担し、落ち葉や雑草の除去、周辺環境の確認などを実施。単なる清掃活動にとどまらず、「この地域が歩んできた歴史」や「未来へ継承すべき環境・文化とは何か」といった視点について意見を交わしながら活動が進められた。
また、長崎県忠霊塔が戦没者を慰霊する施設であることから、本活動では平和学習も実施された。地域に残る戦争の歴史や慰霊の意義に触れることで、参加者が平和の尊さについて主体的に考え、戦争の記憶を次世代へ継承する重要性について理解を深めた。
活動は正午に終了し、大きな事故やけがもなく無事終了した。参加者からは「世代を超えて学び合えることに意義を感じた」「実際に現地で活動することで歴史への理解が深まった」などの声が聞かれた。
三城圏連合会理事長(長崎県忠霊塔奉仕管理人)・神 葵氏コメント
「三城風致地区は、大村の歴史や文化、そして平和の記憶が息づく大変貴重な地域です。地域活動は単に環境を美しく保つだけではなく、その土地の歴史や価値を次の世代へ受け継ぐという重要な役割も担っています。
今回、長崎県忠霊塔を起点として初めて平和学習を取り入れた『長崎県考授業』を実施できたことは、大きな意義があると考えています。実際に現地へ足を運び、清掃や環境保全活動を行いながら歴史に触れることで、教室では得ることのできない学びが生まれます。
戦争を経験した世代が少なくなる中、地域が主体となって歴史や平和の記憶を継承していくことは、これからますます重要になります。長崎県忠霊塔は、戦没者を慰霊する場であると同時に、平和について考える学びの場でもあります。
今後も三城圏連合会では、地域活動と社会教育、平和学習を一体的に推進し、世代を超えた交流を大切にしながら、地域の歴史や文化を未来へ継承する取り組みを継続してまいります。」
今回の取り組みは、地域活動と社会教育を結び付ける新たな実践事例として位置付けられており、今後も三城風致地区において継続的に実施される予定である。地域住民、教育関係者、関係団体が連携し、地域に根差した実践型社会教育として発展が期待されている。


